「サマる技術」をKindleで活用する
星海社新書から2014年11月30日に出版された、「サマる技術」という本があります。
著者は船登惟希さんという方。帯のところに東大出身27歳と書いてあったので、船登さんは東大出身の27歳なんだと思います。DeNAに勤めたあと独立し、現在は参考書なんかを作る会社を経営しているみたいです。帯のところに「東大出身27歳」と書いてあったので、「東大生のノートは必ず美しい」的なしょうもない本なのではないかという不安を抱いたのですが、実際に読んでみたらまったくの杞憂でした。
本書のキーワードは、要約✕読書✕クラウドということで、「知的生産の技術」の現代版めいた内容になっております。星海社新書から出ている本は良書が多いのですが、サマる技術もご多分に漏れず、やっぱり良書でした。
「サマる」とは?
サマる≒要約です。イコールではなく、二アイコールの記号を使ったのは、両者が全く同じものではないからです。
一般的な要約の仕方で僕なりに本書を要約すると、大体こんな風になります。
「本を読んだら読みっぱなしにするのはもったいない。本の内容を忘れないために、読んだ本はきちんと要約し、クラウド上に保存しておこう。同じ分野の勉強を1つのタグにまとめて管理することで、本を何冊も読み比べて、事前に作った要約にどんどん情報を付け加えて知に厚みを持たせることができる。スマホで要約を読み返したり、友人と要約をシェアしたりすることで、どんどん知を血肉化していこう。」
それに対して、サマる技術を応用した要約はこうです。
前提 本を読んでも、内容を忘れてしまっては意味がない。
主張1 本を読んだら、本のストーリーや内容を覚えるために、手書きよりも効率よく文章が書けるパソコンかスマホで要約を作ってクラウド上に保存しておこう。
主張2 勉強したいジャンルが決まったら、複数の本を読み比べよう。その際、はじめに作った要約に新しい知識を付け加えていき、知に厚みを付けよう。
主張3 作った要約を覚えておくために、時々見返して血肉化しよう。また、友人と要約をシェアしあえば効率よく学べる。
大雑把な要約ですが、大体こんな感じです。今回は省きましたが、事例1、事例2とか、根拠1根拠2みたいな感じでどんどん付け加えていくことも可能です。後者のやり方をした場合、後から同じジャンルの本を読んだ時に情報を付け加えるのが比較的簡単です。また、整理した情報を更に整理しているので、単純に理解しやすくもなります。
文章から肉をそぎ落として、筆者の「イイタイコト」だけを抽出する作業が要約であるとすれば、両者はともに要約です。こういうやり方もあるんだなぁと、目からウロコでした。あんまり詳しくやりすぎると続かなそうなので、これからは先ほど上に書いたくらいの要約を章ごとに作ってみます。本を読んだら読みっぱなしでは良くないと、改めて気づきました。「以前読んだ本を友人に薦めたが、どんな話なの?と聞かれて答えに詰まった経験はありませんか」という問われましたが、ありすぎて困ってます。
サマる技術に付け加えたいこと
読みやすく、わかりやすく、内容的にも興味深かった本書ですが、電子書籍の使い方についての項目はありませんでした。Kindleには文章に赤線を引っ張るような感覚で一部をハイライトする機能があるんですが、そのハイライトした部分はWebで一覧できます。それから、読書中にメモを残しておく機能もありますが、それもWebで見れます。
具体的には、
①https://kindle.amazon.co.jp/ にアクセスし、ログインする。
②Your Highlight をクリック。
③コピーするなりEvernoteにWebクリップするなりして活用する。
これがもう、ものすごく便利で、要約を作る時や文章を引用したいときなんかには最高なんじゃないかと思うんです。
ところが、僕が読み飛ばしていただけなのかもわからないのですが、サマる技術の中には電子書籍の使い方についての項目が載っていませんでした。もちろん紙の本でも使えるやり方ではあるのですが、僕としては、サマる技術の技術を活用するならKindleで本を読むのをおすすめしたいです。ページ数の都合もあったのかもしれませんが、Kindleであれば要約に使いたい部分を直接コピペしながら読み進めても良いわけですし、クラウド上に要約を作るならKindleを使うのが相性的には最高な気がします。