ADHDの僕が、医師のつくった「頭の良さ」テストをやった結果

公開日: : 最終更新日:2015/03/19 コラム, 書評

医師のつくった「頭の良さ」テストという本を読みました。

人にはそれぞれ、得意な「認知特性」があります。例えば、「ラジカセ」を思い浮かべてください。と言われたとき、ラジカセそのものの絵や映像を思い浮かべる人と、ラジカセから流れる音をイメージする人がいます。

音で理解するか、視覚的に理解するか、言語的に理解するか。認知特性が違うと、同じものを見ても理解の仕方が変わってくるんです。

それぞれが持っている認知特性は生まれつきのモノなので、大人になってから頑張っても変わることはありません。あとで詳しく書きますが、岡田尊司さんの「発達障害と呼ばないで」という本の中にも同じような話がありました。おそらく、発達心理学の世界では常識になってるんだと思います。

で、その認知特性。
具体的には、

①目で見て理解するのが「視覚優位型(2次元)」
②目で見て理解するのが「視覚優位型(3次元)」
③イメージを言葉に変えるのが得意な「言語映像型」
④文字や図式で理解する「言語抽象型」
⑤言葉を聞いて理解するのが「聴覚言語型」
⑥音を音として理解するのが「聴覚音型」

と言った具合に分かれています。

医師のつくった「頭の良さテスト」を読めば、自分がどのタイプの認知特性を持っているのか把握できるようになり、また、その認知特性にはどんな性質があるのか理解できるようになります。

僕の認知特性はこんな感じ

で、僕の結果がこちら。
ちなみに、15−25が平均。15以下は弱い特性で、25以上は強烈な認知特性です。

27

36

17

4

15

17

視覚(二次元) 視覚(三次元) 言語映像 言語抽象 聴覚言語 聴覚音

これ見ると、僕は強烈に視覚優位型みたいですね。

特に、3Dでイメージして理解するのが得意なようで、逆に「言語抽象」は4点しかありません。言語抽象型の人は学校の授業なんかでノートをきれいにまとめるのが上手な人のことなんですが、僕は逆に「授業をノートに取る」ことの意味を全く理解できないし果てしなく無駄な行為だと思ってます。

そんな訳でノートは取らなかったのですが、そうすると今度は先生から「不真面目」な生徒だとレッテルを貼られてしまいます。で、ラベリング理論よろしく、僕は尚更不真面目になりました。

学校の先生には言語抽象型が多いので、僕みたいな生徒のことを理解することができなかったんです。認知特性の問題は深いですね。

岡田本での認知特性

医師のつくった頭の良さテストとは表現の仕方は異なりますが、岡田尊司さんの「発達障害と呼ばないで」でも認知特性のことが触れられています。

人にはそれぞれ認知特性があり、発達の仕方も異なる。多数派の定型発達だけが正常で、少数派の非定型発達児を発達障害であるとしてしまい、即治療の対象にしてしまうのは如何なものか。それぞれの認知特性を持った子の特性を、どうすれば伸ばしていけるのか。というようなことについて書かれた本です。

それぞれの認知特性についての話は、おそらく岡田さんの本を読んだ方がより詳しいことがわかります。認知特性は大人になっても変わらないものなので、発達障害に関係がないと思っている人であっても、医師のつくった頭の良さテストを面白いと思った人なら読んでおいて損はないでしょう。

そんな岡田本では、認知特性として以下の3つを挙げています。

・聴覚言語型
・視覚空間型
・視覚言語型

聴覚言語型はいわゆる定型発達の人の特性で、視覚空間型はADHD的、視覚言語型は自閉症的な人に多い認知特性です。ただし、視覚空間型や視覚言語型の人=発達障害ではないので注意してください。認知特性は、単なる性質の問題です。それがあまりに酷く、日常生活に支障が出る場合のみ、発達障害と診断されるのです。

視覚空間型≒視覚優位型(3次元)

岡田さんによると、視覚空間型の特徴はこんな感じ。

・イメージで思考するのが得意。何かを理解するときにも、イメージを利用する。
・具体的にイメージできないことを理解するのが苦手=抽象的なことが苦手。
・行動的である。
・「文字」もイメージで記憶する。

空間と3Dは意味的にほとんど同じことですし、抽象的なことが苦手 → 言語抽象型4点ですからね。
これ、完全に医師のつくった頭の良さテストで語られていたことと同じです。おそらく、医師のつくったテストの結果が強烈な視覚優位かつ言語抽象が極端に低いタイプの人は、ADHD的な素養を持ってる可能性が高いのではないでしょうか。

イメージで思考するタイプの人、岡田風に言えば視覚空間型の人は、一旦イメージをつかんだ後は中々忘れません。
また、ある事象から受け取るイメージは十人十色なので、文字言語に依存する人よりも創造的でもあります。良いとか悪いということではないのです。そもそも、認知特性の違いを持った人間が一定数ずつ存在しているということ自体が、社会には多様性が必要である ということを証明しています。

学校の成績なんて無視しても良い

大人になって社会に出てからは、自分の特性に合った仕事を選べばある程度は問題なく暮らせると思います。ADHDの人が辛いのは、やっぱり学生時代ですよね。学生時代にダメ人間の烙印を押されてしまうと、自己評価が異常に低い人間になってしまいがちで、実際に発達障害の人はうつ病率が高いとも聞きます。

もちろん、学校にいるうちは先生や親がある程度守ってくれたけど、社会に出てからなかなか仕事を覚えられなくて辛い。なんてケースもあるんでしょうが、それにしたって問題は同じです。そもそも学校で自分に合った能力を伸ばす機会がなかったか、自分の能力を理解していなかったのが悪いんです。

大半の子供が聴覚言語型なので、学校の授業も聴覚言語型に合わせたものが行われています。いわゆる、先生が教科書を読んで、板書をノートに書き写すタイプの授業です。

ところが、視覚空間型や視覚言語型の子供には先生が話したことを聞いて理解するのが苦手なので、つまずきがちになります。視覚言語型の子供はノートを書いたり教科書を読んだりすれば理解するのでまだしも、視覚空間型の子はノートを取っても理解に結びつきにくいのです。

結果、視覚空間型の生徒は落ちこぼれてしまうんです。聴覚言語型を前提にした授業しかやらず、先生もそれが当たり前だと思ってるから特に対策も立てることなく、そのため落ちこぼれはやる気がないだけだとされてしまう。

僕は早い段階で「学校の授業はクソである」という、僕にとっての真実を悟っていたので、授業や成績を気にすることなく好きなことをやってきました。好きな本や漫画を好き放題読んだり、色々とくだらないこともやってきました。大学受験のときは、僕には授業を受けるスタイルは合わないだろうと分っていたので、独学で勉強し、結果的に早稲田大学に合格しました。おそらく、塾や予備校に通ってたら受かってなかったです。

学校の授業が認知特性ごとに分けた適切なものになるのがベストですが、学校が変わらないんだったら自分が変わるしかないんですよ。人それぞれ得意なやり方は違うんだから、それぞれ自分の認知特性に合ったやり方で自分の能力を伸ばしていければいいんです。

学校の成績なんて関係ありません。好きなことをやっていればよろしい。僕は感覚的に、「これは合わない」「これは楽しい」みたいなことを考えることが出来たし、それを実行できる環境にありました。恵まれてたといえば恵まれてたのかも知れません。

ですが、世の中には多数派のやり方に矯正され、結果的に落ちこぼれてる人が大勢いるんですよ。

僕が授業を嫌いなのは、何も勉強が嫌いだからってことではないんです。好奇心はあるし、新しいことを知るのは楽しいはずです。それなのに、合わないやり方を無理やり強制されるから嫌になるんですよ。たぶんこれ、僕以外のひとにも当てはまるんじゃないでしょうか。

なんとかすべきだと思うんですが、どうなんでしょう。

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