過去問分析は、受験勉強を始める前にやっておく必要があります
大学受験の方法論・勉強法なんていうのは、それこそ人の数ほどあって、どれが絶対に正しくてどれが間違っている、なんていうものはありません。
ただ、一点だけ確実に言えるのは、
試験本番で、合格最低点を1点でも上回る必要がある
ってことで、それさえクリア出来るなら別にどんなやり方でやっても良いんです。ところが多くの場合、受験生には時間がありません。精々1年か2年くらいの準備期間しかないでしょう。時間があるなら多少遠回りしても大丈夫ですが、そうでない以上、効率的な勉強をするべきなんです。
敵を知り、己を知れば、百戦危うからず
という有名な言葉がありますが、大学受験はまさにこれが当てはまります。
大学受験における敵とは、言うまでもなく受験本番で出される試験問題のことです。んで、この敵。相手が一体どんな奴なのかってことが、過去問を見れば大体わかるんですよ。
いきなり過去問を解く必要はない
過去問を分析しろなんて色んなところで言われていることですが、「今やってもまだ解けないだろうし、直前まで取っておこう・・・」と考える受験生は、恐らく星の数ほどいます。
ですが、そもそも分析の段階では問題を解く必要はありません。
どんな問題が出て、どんな問題が出ないのか。なんとなくイメージとしてつかめれば十分です。
例えば、早慶の英語では基本的に、
・細かい文法問題は出ない
・長文読解の分量が多い
・語彙のレベルが高い
ので、ネクステみたいな問題集に時間を割くのは得策ではありません。それより、単語を覚えて長文を読みまくる訓練をした方が良いです。
過去問の分析は、あくまでも分析に過ぎません。出る問題と出ない問題を見極め、これからどういうスキル・知識を埋めればいいかを判断するためにやるんです。
これまで全く勉強をしてこなかった受験生は、おそらく実際の過去問を見ても、どんな特徴があるのかなんてわからないと思います。そんな場合でも、赤本や青本には「傾向と対策」が載っているはずなので、まずはそれを読み込んでください。
やるべきことを分解していく
さて、過去問の分析が終わりました。
この段階で「なんだ、案外ちょろそうだな」と思う受験生はほとんどいないと思います。
千里の道も一歩からではありませんが、どんなに険しい道であろうと、細かく分割していけば克服することが出来ます。
英語で考えてみればわかりやすいのですが、英語の能力には、
・リーディング
・リスニング
・ライティング
・スピーキング
という4つの技能がある訳です。
このうち受験で問われるのは主にリーディングですが、試験問題を解くのに必要な能力に限ってさらに分解していくと、
・単語力
・文法問題を解くための文法知識
・長文読解をするための文法知識
・長文を読み続ける体力
・試験問題を解ききる速読力
・消去法などのテクニック
などが必要になる、ということがわかります。
ここまでわかればシメたもの。
単語力が足りなければ単語帳を買って単語を覚えれば良いし、長文読解をするための文法知識は「英文解釈」というジャンルの参考書をやれば身につけることができます。
こうして考えると、受験勉強=目標から逆算し、自分に足りない知識・能力を埋めていく作業のことだと言えるかも知れません。
受験は、過去問に始まり過去問に終わる
過去問の分析で、倒すべき敵が明らかになった。
参考書や問題集をこなし、敵を倒すための武器=知識を手に入れた。
そうなって来たとき、いよいよ本格的に過去問演習をする時期に入ります。ラスボス戦までのダンジョンの入り口が、実は始まりの村から伸びていた。なんて展開がRPGでよくあるのではないかと思う(ポケモン)のですが、受験勉強もまさにそんな感じです。
そういえば、四天王に挑戦する頃の手持ちポケモンは大体レベル40〜70くらいなので、ちょうど受験生の偏差値と同じくらいですね。