バキの名言から人生の美学を学べッッ!!!

公開日: : 最終更新日:2016/03/23 書評

baki

「刃牙シリーズ」という、言わずと知れた名作があります。
グラップラー刃牙、BAKI、範馬刃牙、刃牙道と、名前を変えながらも脈々と続き、現在では累計100巻を越えるまでに至りました。

一部ではカルト的な人気がある刃牙シリーズですが、どうも最近、刃牙を単なるネタまんがと勘違いしている人が増えてきたように見受けられてなりません。

でも、刃牙シリーズを何度も読み返していくうちに、ふと気付いたんですよ。

刃牙は思想書だッッ!!!ってことに。

そんなわけで、今回は刃牙シリーズから僕が個人的にシビれたカッコいい言葉をバシバシ紹介していこうと思います。

バキシリーズの名言、ベスト3

第3位: 「私は一向に構わんッ!!」

出典:バキ14巻117話 『なんたる偶然!!!』

言わずと知れた、名士・烈海王のセリフです。
刃牙シリーズの名言集を作るときには、必ずといって良いほど紹介されるセリフです。

これ、死刑囚編のときに敵側だったドイルって人とショッピングモールでばったり出くわしたときのセリフなんですけど、烈海王はドイルと

「ここで戦うのは人が多すぎて目立つのでは?」 

「私は一向に構わんッッ!!!」

「僕、喧嘩で爆薬使うよ」 

「私は一向に構わんッッ!!!」

って受け答えをした訳ですよ。
これは、人が多くて目立つからって、喧嘩をしない選択肢はとりません。爆薬を使う相手だからといって、喧嘩をしない選択肢はとりません。という意思表示です。

「今日はちょっとな~」などと、自分に言い訳をしそうになったときに是非とも思い出したい言葉ですね。

第2位: 「ビスケット・オリバに勝つってことは―――― そういうことじゃない」

出典:範馬刃牙10巻74話『Over the Muscle』

主人公の範馬刃牙が、アメリカ最強と言われるビスケット・オリバと戦った際に放った言葉です。

このビスケットオリバという男、特に格闘技をやっている訳ではないのですが、とにかく筋肉がものすごい。体重200キロくらいあるんですが、ほとんど全部が筋肉です。筋肉がすごすぎて、至近距離からショットガンで打たれてもノーダメージだし、片手でバイクを20メートルくらいぶん投げる腕力があります。

そんなオリバに勝つということは、技術や小細工で戦ってちゃだめなんです。
オリバに勝つには、オリバの土俵、すなわち腕力で勝つべきなんです。

だからこそバキは、オリバと堂々とぶん殴りあって戦うことを提案したのであります。

この、相手の土俵で勝ってこそ勝利という価値観が、僕は大好きです。

第1位: 「死ぬにはいい日など死ぬまでないッッ!! ーーーいつだって今日を生きるしかないッッッ!!!」

出典:範馬刃牙7巻51話「刃牙」

ゲバラVSオリバ戦で放たれたセリフです。

サブタイトルは「刃牙」となっていますが、刃牙の登場は1コマだけで、おまけにストーリーにはなんの絡みもありません。なぜこの話のサブタイトルが「刃牙」なのかは、何回読み返してもよくわかりません。たぶん、板垣先生もしくは編集のミスだと思います。

それはともかく、セリフの解説です。

「今日は死ぬにはいい日だ」

とは、明らかにチェ・ゲバラがモデルな架空の革命戦士、ジュン・ゲバラさんがちょくちょく言っていたセリフです。
が、元々はベトナム戦争を戦っていた米兵の「生きるための言葉」でした。

苛烈な戦闘に生き残るため。
勇敢に戦って、生きて祖国に帰るため。

いつだってその日を全力で生きるしかない。
死ぬにはいい日なんて、死ぬまでこないッ!!
いつだって今日を必死に生きるしかないんだッッッ!!!!!

ってことなんです。
死ぬほどカッコいいですよねぇ。

刃牙に学ぶ、「刹那性」の美学

個人的には、刃牙世界において、「今」を必死に生きるということは1つのテーマになっているんじゃないかなと思ってます。

例えば、ジャック・ハンマーの超有名なセリフで

「日に30時間の鍛錬という矛盾!!!!」

というものがあります。
ジャックと言えば、今日強くなるために明日を捨て、オーバーワークとドーピングを繰り返す孤高のファイターです。今日強くなるためなら明日はいらない。そう思い続けてきたジャックの今日は、いつだって重いんですよ。

また、ドリアンVS末堂戦では、同期の加藤をドリアンにやられた末堂が、

「今日は死んだっていい」

という言葉を残しています。
元々の末堂は、お世辞にも一線級のキャラクターとは言えない存在でした。

それは、身体や技の「弱さ」が原因というよりも、メンタル面の弱さが原因です。
例えば、あくまでも最強を目指す独歩に対し、「いいっすよ・・・空手の中の1番で・・・」などと言っていたことからもわかる通り、本質的に、末堂は闘士ではないんです。1人の空手選手でしかありません。

それが、今日は死んだっていい、と覚悟を決めた途端、どうですか。
結局勝つことこそ出来ませんでしたが、ドリアンという一流相手に、なかなかのファイトをしてみせたではありませんか。

また、範海王がアライJrにやられながら言った、

「な~んかわかってきた…この人は明日を見てないもの…」

というセリフもありましたね。

このように、刃牙世界には明日を見ない刹那性や覚悟を決めることの重要性を示す事例がこれでもかッてくらい無数に登場してきます。
そしてそういう精神性は、僕が大切にしている美学にかなりの程度一致するのです。

僕はパンクロックが好きなのも、刃牙が好きなのも、ファイトクラブを好きなのも、一重に根っこにある精神性に惚れてるからだと思うんです。
こういう美学を、男ならサラッと身につけておきたいもんですね。

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