じっと座っていられない人のためのマインドフルネス入門
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コラム
マインドフルネス、足りてますか?
数年前からマインドフルネスって言葉をよく耳にするようになりましたよね。
本屋さんにもマインドフルネス本が結構積まれていますし、ネットメディアでもしばしば取り上げられているのを見ることがあります。
ところが、このマインドフルネス。
言葉の知名度の割には、実際に日々の生活に取り入れている人はあまり多いとは言えないのではないでしょうか。
かくいう僕も、実は以前にマインドフルネスをやろうとして挫折してしまった経験があります。
何回かやってみて、たしかに効果があるような気はしたんですけど、ただじっと座ってるだけなのが無理ですぐに辞めてしまったんです。それを言っちゃあオシマイよ!って感じもなくはない感じがしますが、そもそもじっと座って目を閉じてってのか辛いんですよね。あんなもん、本に書いてある通りにやろうと思ったら相当の覚悟と精神力が必要ですよ。マインドフルネスを続けられる人ならマインドフルネスはいらないんじゃないかって感じです。
ですがこのマインドフルネス、実は本屋に置いてあるようなポニャララ老師のありがたいお話〜みたいなやつの通りにやらなくても、全然問題なく行うことが出来るんですよ。
このことに気付いたのは、まったくの偶然でした。マインドフルネスをやるには、じっと座る必要なんかないんです。もちろん、立ったまま禅をやる”立禅”をするとか歩きながらの禅をやるとか、そういう話でもありません。
穏やかな心なんて全く不要です。
みんなが続けられる真のマインドフルネスの正体。
それは、これまた日本生まれの武道。空手道なんですね。
パッと聞くと納得いかない人もいるかもしれませんが、そもそも剣術や少林寺拳法の世界には「剣禅一致」「拳禅一如」なんて言葉があるんですよ。
武道と禅って昔っから非常に相性が良かったんです。そしたら当然、禅の流れを組むマインドフルネスとの相性も最高だったということです。これは僕が勝手に言ってるわけじゃなくて、月刊秘伝っていう武術雑誌でも特集されていたので確かな話だと思います。
そもそもマインドフルネスとは何なのか?
一般的に、マインドフルネス=日本古来の「禅」や瞑想から宗教色を少し薄くしたようなものであると理解されています。
目を閉じて、15分から1時間くらい、じっと座るイメージですね。
ですが実は、マインドフルネス本来の原義は、
「今この瞬間」の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れること
なので、べつに必ずしも禅をやる必要はないはずなんです。
ただ、マインドフルネスをするためのツールとして禅が便利だから禅をやってるだけです。
よく言われているマインドフルネスのメリットは以下のようなものがありますが、これは全て空手でも得られますし、マインドフルネスとしての空手をやれば良いと思います。
・「今この瞬間」を感じることが出来るので、目の前のタスクに全力投球できるように
なる。
・集中力アップ、ストレス解消が見込めるので、仕事の生産性が向上する
・脳が活性化する
・EQ(心の知能)が向上し、コミュニケーション能力が上がる
マインドフルネスとしての武道
通常のマインドフルネスのメリットは上に挙げた感じですが、これらを空手で如何にして得るかを考えてみましょう。
「今この瞬間」への集中力
→ ミット打ちをしてると疲れるので、頭が空っぽになる。
また、スパーリング中にボケボケすると普通に危険なので、どんな人でも「今この瞬間」に集中することになる。
ストレス解消
→ 運動はただてさえストレス解消になるのに、ミットまで叩いてストレスを解消できないなら病院に行った方が良いですよね。
脳が活性化する
→ 脳を鍛えるには運動しかない!という本を読んだことがあるんですが、まあタイトルの通りで運動すると脳が活性化して、子供は成績が上がるし仕事をしている人は生産性が上がるしADHDも治るし薬物中毒も治るそうです。
EQ(心の知能)が向上し、コミュニケーション能力が上がる
仲間と空手をやることで、自然と仲が深まります。結果、コミュニケーションが円滑になることは間違いないですよね。
部活みたいな感じです。
このように、マインドフルネス空手のメリットは通常のマインドフルネスがもたらしてくれるメリットをほとんど継承している訳ですが、普通に筋力・体力が付いて健康になるといったメリットであったり、有酸素運動をすることになのでダイエットにも向いている、護身術として役立つ可能性など、空手にしかないメリットも多数存在しています。普通のマインドフルネスの上位互換であると言っても過言ではないはずです。
空手を特別に勧める理由
空手がマインドフルネスなのはわかった。でも、武道なら他にも色々あるじゃないか。と思う方が、もしかするといるかもしれません。疑問を解いてさしあげましょう。
よくよく思い出して欲しいのですが、健康やダイエットのために格闘技をやろう!という人って、大抵はキックボクシングやボクササイズ的なモノを始めていると思うんですよ。ダイエットのために柔道を初めました。なんて話は聞いたことがありません。このことからもわかる通り、打撃系格闘技は初心者でも入りやすいんです。上手い下手はともかくとして、パンチだったら誰でも打てるので、敷居が低いんじゃないでしょうか。
また、空手なら剣道のような特別な道具もいらないですし、地面を転がることもないので屋外でやっても服が汚れません。
他のメジャー格闘技・武道とは違い、空手には流派がものすっごくたくさんあるのもメリットですね。空手は流派によって教え方も技術もルールも全然違うんですが、それでも「空手」と名乗っている以上は空手なんです。棒を振り回しても空手。柔道よろしく背負投をしても空手です。
それこそ、いやそれキックボクシングやんけ!とか、それ総合格闘技だろ!みたいな流派もあるわけで、「これをやらなきゃ空手じゃない」という明確な定義が特にないので、その日の気分やメンバーに合わせて練習の方向性を柔軟に変えて行きやすいというメリットがあります。空手って言っとけばなんでも空手になるんです。つまり、空手はマインドフルネスのために素人が我流でやってても問題がない武道なのです。
個人的には、とりあえず名前がないと不便だから「空手」と言ってるようなところもあります。
この記事を読んで空手をやりたくなった人は、僕と一緒に空手をやりましょう。
最近は週に2−3回程度、近所の公園で空手をやっているんですが、幼稚園児たちがミットを打ちたがってすりよってきたりするので物凄く癒やされています。
空手には、そういったメリットもありますよ!