セーフティーネットのない社会はクソ。ベーシック・インカムをよこせ
イスラム国の人質事件でも、案の定自己責任論を振りかざす人たちが現れました。恐ろしいですね。
ああいう人たちを見ていると、つくづく「この人たちは人と違うことをしている人間が本当に嫌いなんだなあ」という気持ちになります。なにもイスラム国に行かなくたって、日本国内にもリスクはたくさんあるんですよ。それも全部自己責任なんでしょうか。僕は違うと思います。
リスクはどこにでもある
現状、日本で一番リスクの少ない生き方だとされていて、多くの人が実行しているor実行したいと思っているのは、いい大学に行っていい会社に就職する式の人生です。
企業は新卒採用がほとんどですから、そこまでの時点で一度でもレールからこぼれた人は復活するのが極めて難しい。新卒きっぷを逃した人は、非正規雇用で不安定な生活を余儀なくされるのが現状です。たまに起業をする人がいても、ほとんどが失敗します。
だからみんな、レールからこぼれないよう、挑戦せず、自己責任論を信じて日々生きてるんじゃないでしょうか。
ところが今の時代、仮にいい企業に入れても、そこがいつまで安泰かどうかなんてわからないじゃないですか。大企業だっていつ潰れるかわからない世の中ですよ。グローバル化によってスキルのない労働者の仕事は賃金の安い途上国に奪われていくし、将来的には人工知能やロボットにも職を奪われていくかも知れません。
それでなくとも、人間いつ病気したり怪我をしたりするかわからないんです。自分がいつ食えなくなるかなんて、わかったもんじゃないはず。自分がそうなった時にも、まあ自己責任だから仕方ないかと諦めるつもりなんでしょうか。
生活保護はセーフティーネットとして機能していない
日本には一応、セーフティネットとして生活保護があります。ところが、生活保護をもらう資格のある人の中で実際に生活保護をもらえてる人って、全部で20%いないんですよ。生活保護をセーフティーネットとして機能させるなら、予算を5倍にしないと間に合わないという計算になります。
生活保護は叩きやすいので、実際にはほとんどいない不正受給の人や在日朝鮮人の受給者が多いからけしからんなどと針小棒大に取り上げて、本当に必要な人に「生活保護をもらうのは恥ずかしい」と思わせてしまっているんです。
ベーシック・インカムを導入しろ
そんな訳で、生活保護はセーフティネットとして機能してません。それならいっそ、社会保障はベーシックインカムに一本化して、生活保護も年金もみんなみんな辞めちまえばいいんですよ。
ベーシック・インカムは、就労・資産に関わらず、個人単位で全国民に個人単位で毎月一定額を支給する制度です。ベーシック・インカムについては、この本が分かりやすいのでオススメ。
もしくは、ミルトン・フリードマンよろしく負の所得税でも良いんですが、ともかく必要なのは個人が個人として、やりたいことがやれる社会です。失敗しても野たれ死ぬことがない社会、レールから外れた人間が生きやすい世の中。そのためには雇用の流動化も必要だし、生きていくには最低限のお金が必要です。そのためのベーシック・インカム。
制度の仕組みもシンプルになるので、消えた年金問題みたいな話はなくなります。そもそも年金をもらえないかも知れないみたいな話だってなくなります。世代間の不平等感も解消される訳です。
財源はどうするのか、みんな働かなくなるんじゃないかなど、色々とツッコミたいところはあるかも知れません。
ですが、そんなところは実のところそれほど問題ではないんですよ。本気になれば、財源はなんとかなります。みんなが働かなくなることもないでしょう。労働のインセンティブを損なうという面で言えば、問題なのはむしろ現状の生活保護です。下手に働くと生活保護を切られちゃうからな〜。って気持ちを起こさせかねないからです。
ベーシック・インカムを考える上で1番の障害は、世の中に「働かざるもの食うべからず」的な価値観が蔓延していることです。まずはそこ。そこから崩していく必要があります。
及ばずながら、僕も「働かざるもの食うべからず」のために色々と書いていくつもりです。
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